上島Stories

Kamijima stories

かみじま郷土話① 上島町での思い出

2020年06月02日 曽根 大地

私の故郷である和歌山県紀美野町 上島町は海に囲まれた離島ですが、故郷は山に囲まれた陸の孤島です。

 私が上島町で暮らし始めてから、2年が経過しました。上島町では、私が来る以前から「弓削島庄総合調査」が数年にわたって継続して行われていたため、私もその調査に途中から加わることとなりました。調査では、島を歩き回って島中に点在する石造物を調べたり、スコップで地面を掘って、昔の人が海の近くに造った塩田を見つけたり、各地区の詳しい歴史を知るために町に昔から住まれている方々のお話を聞くなど、これまで幅広い分野に渡る仕事をさせていただきました。

 私はこの町で暮らし始める以前に、弓削島に一度だけ訪れたことがありました。学生だった頃、塩の荘園として有名だった弓削島荘の歴史を学習するためでした。久司山展望台に登って上島諸島や尾道の風景を一望したことや、製塩土器づくり体験をしたことは、楽しい旅の記憶です。芸予諸島の離島に降り立ったのはこの旅の時が初めてで、自然が豊かな素敵な町だと感じました。また実際に弓削島を訪れたことによって、中世に生きた人々が、島にある山から燃料を補給し、海水から塩を取り出し、瀬戸内海を渡って東寺に塩を届けたのだろうという、自然と一体となって暮らしていた様子を想像することができました。

 今後は、広報の紙面をお借りして、日々の調査で学んだことや、歴史に関するお話を少しずつ発信させていただきます。よろしくお願いいたします。

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