上島Stories

Kamijima stories

オリンピックと三種の神器

2016年11月25日 有馬 啓介

昼間のテレビを見る人たち(昭和43年8月) 魚島村役場『島の肖像 魚島村制施行108周年記念写真集』平成16年 から

 昭和39年(1964年)に開催された東京オリンピックと昭和45年(1970年)に開催された大阪万博(日本万国博覧会)は、日本の戦後の復興と高度経済成長を象徴するものでした。現在、2020年に開催予定の東京オリンピックに向けて準備が進められています。また、大阪では2025年の国際博覧会(万博)誘致に向けた取り組みが本格化しているようです。50年以上の時を超えた一大事業ですが、社会情勢と人々の生活の変化によってその開催意義は多少なりとも変質しているようです。

 東京オリンピックが開催された昭和30年代、「白黒テレビ」「電気洗濯機」「電気冷蔵庫」は三種の神器と呼ばれ、人々の憧れの新しい豊かな生活の象徴でした。昭和30年代は、現在も続く電化生活の基礎が形成された時代です。その頃の家電製品は、家族などの集団での共有を基本として開発された製品が多く見られました。家に初めてテレビがやって来た日のことを鮮明に覚えている方々も多いのではないでしょうか。

 昭和30年代中頃以降、上島の島々でも現金収入があり、経済的に余裕のある家庭は、一軒がテレビを買えばほかの家もテレビを買い、隣の家に冷蔵庫が入れば自分の家も冷蔵庫を持つといった具合で家電製品を揃えていったようです。そして、家の中に家電製品が増えていきました。

 魚島では、大正13年(1924年)から自家発電による送電が行われ、以来日没から午後11時までの間で電気を使用してきました。その後、昭和43年(1968年)に海底ケーブル送電が開始され、各家庭では家電製品を終日利用できるようになりました。

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